宅建試験を受験したみなさんこんにちは!
合格発表はいかがでしたか?
今年の合格点は大方の予想を裏切って「35点」で決着しました。
合格した方は本当におめでとうございました。
小ブログは「本命34点・対抗33点」と予想してしまい、数え切れないほどの多くの方にご迷惑をおかけしてしまいました。
この場をお借りして心よりお詫び申し上げます。
それにしても今年の「35点」決着は意外でした。
この記事でもご紹介しましたが、今までの合格ライン予想データが音を立てて崩れ落ちてしまいました。
この記事でも取り上げたデータ上は「34点」楽勝を指し示していました。
でも現実には非情にも「35点」が今年の合格点として選択されました。
「34点」得点者にとっては胸を劈くような結末となってしまったのです。
そこで今日はこのタイミングで34点予想と35点決着のギャップについて、「34点本命予想」の責任を肌で感じつつ検証してみます。
もしよろしければご覧になってみてください。
目次
資格学校主要3社のサンプルデータからの推定
- TACサンプル:平均点マイナス1~2点&±0点=合格点
- LECサンプル:平均点プラスマイナス1点=合格点
- ユーキャン:平均点プラス3点・4点=合格点
- ユーキャン:得点分布47%までに収まった得点の最低点=合格点
この4つの指標が近年の合格ライン予想の柱となっていました。
その個々のデータの検証からスタートします。
TAC過去データ
平成21年:TACサンプル数 814人 平均35.00点 合格点33点 (平均点-2点)
平成22年:TACサンプル数1367人 平均36.44点 合格点36点(=平均点)
平成23年:TACサンプル数 710人 平均37.29点 合格点36点 (平均点-1点)
平成24年:TACサンプル数526人 平均35.16点 合格点33点 (平均点-2点)
平成25年:TACサンプル数450人 平均34.47点 合格点33点(平均点-1点)
平成26年:TACサンプル数1500人 平均33.1点 合格点32点(平均点-1点)
平成27年:TACサンプル数1942人 平均点31.7点 合格点31点(平均点‐1点)
平成28年:TACサンプル数1714人 平均点36.0点 合格点35点(平均点−1点)
平成29年:サンプル数2138人 平均点35.2点 ∴合格推定点33~35点
⇨平均点±0点で無難に的中
LEC過去データ
平成19年:LECサンプル数1499人 平均34.4点 合格点35点(平均点+1点)
平成20年:LECサンプル数2023人 平均33.2点 合格点33点 (=平均点)
平成21年:LECサンプル数1719人 平均33.8点 合格点33点 (平均点-1点)
平成22年:LECサンプル数2038人 平均36.3点 合格点36点 (=平均点)
平成23年:LECサンプル数2162人 平均35.7点 合格点36点 (=平均点)
平成24年:LECサンプル数2362人 平均33.2点 合格点33点 (=平均点)
平成25年:LECサンプル数2040人 平均32.4点 合格点33点 (平均点+1点)
平成26年:LECサンプル数2211人 平均33.4点 合格点32点 (平均点-1点)
平成27年:LECサンプル数2228人 平均31.2点 合格点31点(=平均点)
平成28年:LECサンプル数2758人 平均35.0点 合格点35点(=平均点)
平成29年:サンプル数3246人 平均点34.0点 ∴合格推定点33~35点
⇨平均点+1点で無難に的中
ユーキャン平均点データ
平成20年:U-CANサンプル数4228人 平均29.8点 合格点33点(平均点+3点)
平成21年:U-CANサンプル数 不明 平均30.40点 合格点33点(平均点+3点)
平成22年:U-CANサンプル数4000人 平均32.1点 合格点36点(平均点+4点)
平成23年:U-CANサンプル数4330人 平均33.05点 合格点36点(平均点+3点)
平成24年:U-CANサンプル数3170人 平均29.77点 合格点33点(平均点+3点)
平成25年:U-CANサンプル数4417人 平均30.40点 合格点33点(平均点+3点)
平成26年:U-CANサンプル数3642人 平均29.10点 合格点32点(平均点+3点)
平成27年:U-CANサンプル数4644人 平均27.89点 合格点31点(平均点+3点)
平成28年:U-CANサンプル数3928人 平均31.41点 合格点35点(平均点+4点)
平成29年:U-CANサンプル数3716人 平均30.61点
∴合格推定点+3点なら 34点、+4点なら 35点
⇨平均点+4点で無難に的中
ユーキャン得点分布データ
平成23年
合格点:36点
4330人のうち36点以上は1883人(上位43.5%)
平成24年
合格点:33点
3170人のうち33点以上は1364人(上位43.0%)
平成25年
合格点:33点
4417人のうち33点以上は2078人(上位47.0%)
平成26年
合格点:32点
3642人のうち32点以上は1642人(上位45.1%)
平成27年
合格点:31点
4644人のうち31点以上は1895人(上位40.8%)
(注)46.9%の30点は法則に該当するも惜しくも合格点とならず(不的中)
平成28年
合格点:35点
3928人のうち35点以上は1605人(上位40.9%)
平成29年
35点 3716人のうち1303人(上位35.1%)
34点 3716人のうち1573人(上位42.3%)>>>データ上はこれのみが合格点
33点 3716人のうち1820人(上位49.0%)
32点 3716人のうち2029人(上位54.6%)
⇨上位42.3%・34点は大外れ
⇨合格点は上位35.1%の35点
(平成23年以降ダントツに低い・薄い得点分布で決着)
過去の合格率とユーキャン得点分布の相関
平成23年
合格率16.1%
ユーキャンの得点分布43.5%(2.70倍)
平成24年
合格率16.7%
ユーキャンの得点分布43.0%(2.57倍)
平成25年
合格率15.3%
ユーキャンの得点分布47.0%(3.07倍)
平成26年
合格率17.5%
ユーキャンの得点分布45.1%(2.58倍)
平成27年
合格率15.4%
ユーキャンの得点分布40.8%(2.65倍)
平成28年
合格率15.4%
ユーキャンの得点分布40.9%(2.66倍)
ここ7年は2.57倍〜3.07倍でほぼ安定していました。
その係数を使って…
今年の「34点」の得点分布42.3%から合格率を推定すると・・・
13.78%〜16.46%
今年の「35点」の得点分布35.1%から合格率を推定すると・・・
11.43%〜13.66%
宅建試験の合格率は15%〜18%と言われていますので、このデータ上からは合格ラインは「34点」を選択せざるを得ません。
15%を満たしそうもない「35点」は間違っても抜擢できないのです。
でも結果は「35点」で合格率「15.6%」でした。
予想が外れたことの言い訳をするつもりはありませんが、過去のユーキャン得点分布と本試験合格率の相関だけを直視して誤解を恐れず言及すると、今年のユーキャン登録者のレベル感が例年に比べ紛れもなく相違していたのではないかという仮説が成り立ちます。
TAC・LEC・ユーキャンの平均点からの推定値も最も高い点数で決着していること等も勘案すると、採点サービスに登録する層のレベルが少なからず変質してしまったような気がします。
今後もこのような傾向が急速に進むのであれば、TAC・LEC平均点からの合格ライン推定神話や、ユーキャン平均点・得点分布からの合格ライン推定神話も趣が変わってくる可能性があります。
もしかすると今年は宅建試験合格ライン予想のスタンスが変貌する元年となったのかもしれません。
来年(2018)はこのことを踏まえ、慎重に合格ライン予想を出さなければならないと改めて感じました。
いかがだったでしょうか?
以上が【2017年は宅建試験合格ライン予想スタンス変貌元年⁉︎】ユーキャン得点分布から35点決着推定は無理だった…でした。
言い訳がましい結論になってしまい甚だ恐縮ですが、今年のユーキャンデータがちょっと特異だったと言うことをご紹介したくて恥を忍んで筆を走らせてしまいました。
名残惜しいですが、2017年の宅建試験に関する記事はこれが最後になります。
本当にこの1ヶ月半ご愛読ありがとうございました。
次の日曜日は管理業務主任者試験です。
宅建士と同時受験予定の方は引き続きご愛読いただければ幸いです。
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