この記事は転職をおすすめする内容ではまったくありません!
ただ何らかの理由で転職を余儀なくされている方の参考に少しでもなればと思いこの記事を書いていますので誤解の無いようにお願いします。
ただ中途採用がまた注目されているのは事実です。そういう意味では2、3年前に比べて転職もしやすくなってきているのかもしれません。その背景から少しご説明いたします。
正社員(新入社員)の採用は企業にとって死活問題です。ヒト、モノ、カネ、情報が企業の経営資源と言われていますが、その中でもヒトは一番重要な存在です。なぜならヒト以外の3要素は創造力や判断力をもたず、自らビジネスの中でそのパワーを発揮することができません。他の3要素はヒトの判断を仰ぎ、ヒトに使われなければその価値を発揮できないのです。
そのヒトを企業に迎え入れるというアクションが採用活動です。全ての企業はこの採用活動に英知を尽くし、試行錯誤を繰り返しながら少しでも質の高い、成長に貢献してくれそうな人財に入社して欲しいと考えています。
ただこの採用活動、特に新卒採用は時代に沿って急速に変化しています。少子高齢化が早いスピードで進み、2010年頃を頂点として総人口もマイナスに転じています。あわせて生産年齢人口も減ってきています。若年者の数も同じように減ってきていますが、企業の求人数がそれに併せて減少するということは考えられません。
そうなると今まで以上に優秀な学生を企業が取り合うという構図が顕著になってきます。さらに言うとより魅力のある企業に応募が集中し、そうでない会社へのエントリーは加速度的に減っていくことが予測できます。妥協しつつ不本意な内定を出し人数を揃えるのが精一杯の魅力のない会社と、魅力的で一定レベルの学生をいとも簡単に採用できる会社と二極化が進みます。
学生にとってあまり魅力のない企業は中途採用に目を向けるようになってきています。
こんな(まだ微風ながら)フォローに乗って今まさに転職活動をしている方に是非面接を無事通過し希望の企業への転職を成功させていただければと強く願っております。
そんな転職(中途)面接に勝つためのポイントを紹介する前に、面接官が中途採用の面接で不採用にした理由を並べておきます。これをヒントにして本文をまとめましたのでまずはさっと目を通してみてください。
過去10年分の面接担当者の不採用理由を次の3つのグループに分けました。
1.どちらかと言うとまずまず客観的なもの
2.アバウトで主観的なもの
3.些細なことだけど見逃せないもの
それではひとつひとつ並べてみます。
1.どちらかと言うとまずまず客観的なもの
・完成し過ぎてしまっていて変われそうにない
・自慢話が多い、自信過剰
・ホームページも見て来ていない
・志望理由、転職理由があいまい
・話が長いわりには具体性に欠け中身も薄い
・発言が会社に依存している、受け身
・攻撃的で批判が多い、評論家風
2.アバウトで主観的なもの
・やる気が感じられない
・光るものがまったくない
・きつくて泥臭い地味な仕事から逃げそう
・胡散臭い、嘘臭い
・なんとなく偉そうに感じる
・注意力散漫で落ち着きがない
・底が浅く自分を持っていなさそう
3.些細なことだけど見逃せないもの
・遅刻してきたのに謝らなかった
・ペンをくるくる回していた
・革靴が汚れていた
・座ったまま挨拶した
・肘をついて喋っていた
・ジェスチャーが大袈裟でわざとらしかった
・ワイシャツの色が濃すぎた
納得できるものもあれば「そんなことで」的なものもあったのではないでしょうか。
「結構いい加減なんだな」と感じる人もいると思いますがこれが転職(中途)面接の現実です。独断や偏見何でもアリなんです。中途採用はこれから一緒に仕事をする仲間を探す行為なので相性とか好き嫌いとかで判断したとしてもある程度仕方のないことなのです。
そんな中途採用の性格も踏まえて、膨大な過去の面接評価シートをひっくり返し、また大手就職エージェントの分析なども参考にして私なりの転職(中途)面接に勝つためのポイントをまとめてみます。
1.転職(中途)面接の意外な性格
・即戦力はありがたいが経験と知識と自分を持ちすぎていて腕組みして上から見下ろすような人は敬遠される
・面接官は人事部というよりむしろマネージャー(現場に近い)であることが多い
・新卒と違って世の中の右も左もわからないでは許されず世間知らずは通用しない
・自分探しなどしている余裕はなく自分の商品価値を把握しアピールしなければならない
・何か不満があって前の会社を辞め環境を変えるという意味では初婚というよりは再婚のイメージに近い
2.第一印象
・面接官は現場スタッフであればあるほど第一印象で採用不採用を決めてしまう
・面接官は最初の5分間位でネガティブなポイントを見つけはやく勝負を決めたがっている(あまり迷ったり考えたりしたくない)
・メラビアンの法則を出すまでもなく外見やハキハキとした話し方は超重要
・自分を偽ってまで明るくするとか笑顔を見せることではなくマナーと真摯さが肝要
・ビジネスの世界で大切なお客様に最初に面会することを想定すればまずハズさない
3.自己紹介と自己PR
・長すぎる(5分超)自己紹介はその時点で「さようなら」と思って間違いない
・自己紹介で面接官に突っ込んできてほしいポイントを撒き餌のように撒けたらその後が楽というかかなりのアドバンテージ
・自己紹介で全体の印象とプレゼン能力を見られていると思って丁寧に構成しておく
・目に浮かんでくるような具体例とに細すぎるくらいの数字を自己PRに盛り込められればベター
・経験不足など心配せず未来にむかってどれだけやれるか、やりたいかを猛烈アピール
4.転職理由と志望理由
・なぜ前の会社を辞めこの会社に入りたいか一貫性のあるストーリーを構築しておかないと矛盾をつかれる
(今の会社でやればいいじゃないか、なぜできないの)
・前の会社で実現できなかったことを解消した形で志望動機とすれば伝わりやすいし前の会社の悪口にも聞こえない
(NG:周りのレベルが低い GOOD:優秀な人達と切磋琢磨したい)
・延々と自慢話や自分のアピールを聞かされるより「やらせて欲しい」の能動的な一言の方が何倍も面接官の心に刺さる
・志望理由は自分の希望する条件が数多く満たされていてそれを実現する環境も整備されているという2段階で説明する
・熱意の表れとなる「ここで働きたい」というセリフは照れくさくても言うべし
5.企業研究
・転職組があまりにも企業研究を疎かにしているので緻密にやっておけば明らかに差がつく
・面接官は自分の会社のことでマニアックなことを他人から聞くと驚くし嬉しくないはずがない
・もし間違っていたとしても研究していること自体がやる気の表れとしかとらない
・情報の宝庫とも言える求人票は企業研究の第一歩と言えるので暗記するレベル
・企業のHP等をプリントアウトしてマーカーしたものを何度も読んで持ち歩いていればその気迫はきっと伝わる
6.最終局面での企業への逆質問
・「最後に何かありますか?」「ありません」は「おたくに興味ありません」と同意義
・最後の質問でいままでのイマイチのムードを大逆転できる可能性は十分ある
・何も調べてきていないことを物語るような悪い意味で純粋すぎる丸投げ質問は避ける
(ex 仕事の内容を教えてください・・・そこから?)
・面接官の個人的なこと(特に内面的なこと)に踏み込みすぎるのはちょっと面倒くさい
(ex 将来の夢を聞かせてください・・・お前に言わなきゃダメ?)
・残業のことを聞くときは残業したくないオーラを前面に出しすぎない(残業することは問題ないのですが参考までに、的な前置きを付ける)
(ex (いきなり)残業はどれくらいありますか?・・・残業したくないの?)
7.緊張感
・面接官もただのリーマン、少なからず緊張している
・適度な緊張感は初々しく可愛げがあってむしろ好印象
・面接で伝えたいことをメモに書いておけば書く作業でかなり記憶に残る
・フリーズしたらメモを見ても問題ないしかえって真摯さが伝わる
・クラッシュしてもこれだけは伝えたいという内容を手に平に小さく書いておく
8.絶対にやってはいけないやりがちなタブー
・ホームレスじゃありまいしボサボサの髪型やヨレヨレの服装をしない
・重役じゃあるまいしイスに深々と座らない
・アル中やシャブ中じゃあるまいし貧乏ゆすりをしない
・チューボーじゃあるまいしスーツに白い靴下を履かない
・ホストやキャバ嬢じゃあるまいし強すぎる香水をつけない
いかがだったでしょうか?
以上が私が考える転職(中途)面接に勝つための8つのポイントでした。
転職する上で全体を通して一番大切だと私が考えるのは、
「企業のニーズと自分の商品価値を的確に掴み本気でジャストミートさせていくこと」
です。この「顧客(企業)と商品(自分)」という本質を押さえておけば、全てお遊びではなくビジネスの世界だと捉えて取り組めば必ずうまくいくはずです。モノ(商品)を売るという行為は消極的ではうまくいきませんし、照れている場合でもありません。無論上から目線で威張っていては顧客は逃げていってしまいます。
どうすればモノが売れるかとどうすれば採用されるは共通点がたくさんあると感じるのですがみなさんはいかがでしょうか?
最後に新規大学卒業者の事業所規模別卒業3年後の離職率をご紹介して締めくくります。
データ上では私の想像以上に中小企業の離職率が高かったです。
みなさんはどのようにお感じになりますでしょうか?
◆平成22年新卒(3年前)の3年後の離職率◆
1000人以上 21.7%
30~99人 38.3%
5~29人 50.3%
5人未満 61.1%
30人未満の会社では約半分が離職しています。
起業する人もいるでしょうが、ニアリーイコール転職組といわざるを得ません...
最後までお読みいただきましてありがとうございました。