みなさんは会社の人事部に対してどのような印象をお持ちですが?いい印象ですか?悪い印象ですか?ネットで「人事」を検索すると、人事部に対して「クズ」とか「ゴミ」とか「カス」とかという手厳しい表現を目にします。事実人事部の目線から書いた私の「中身のない」「上から目線」の記事に対しても手厳しいコメントを数多く頂戴しています。私の場合は「人事部」というよりはまさに私自身の不徳の致すところだと反省しつつ、いつもありがたく拝読しています。自らを省みて襟を正すヒントとさせていただいております。
★人事・総務のお仕事★
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そこで今後も「より信頼される公平な人事」「奢らない謙虚な人事」「フレンドリーな身近な人事」となるためにはどのような心掛け(心得)が必要か、自戒の念も込めてまとめてみます。その心掛け(心得)をまとめる前提として、まずは私の友人・知人から人事部に対しての不満を直接ヒヤリングし、それをいくつかのパターンに分類してみることにしました。そしてその想像以上に噴出して出てきた不平・不満・怒りのようなものを和らげるためには(決して簡単なことではないと覚悟しつつ)ささやかながらでもどのように心掛けるべきかを考えていくことにします。
念のため断っておきますが今日のエントリーは常日頃から社員に慕われ、信頼され、尊敬されている人事部の皆さんをも一括りにして論じているわけではありませんが、そのような印象をもしお持ちになられたとしたら最初に深く陳謝しておきます。あくまで私のような欠点だらけの人事部のスタッフの話です。しかし人事部が業務の性質上あまり好かれる存在ではない、多少嫌われても致し方ないことも一般論としてあることも踏まえて、是非「ひろいこころ」でお許しいただければ幸いです。
【参考】
◆人事部の主な業務内容◆
採用関連業務
研修・教育関連業務
人事企画
労務関連業務
評価(人事考課)業務
勤怠管理業務
社会保険関連業務
給与計算・年末調整業務
その他
先日7~8名のすべて違う会社(現・元一部上場企業勤務)の友人・知人(30代・40代)へ向けて、
「人事部の印象を遠慮なく教えて」
とLINEで一斉送信したところ数多くの手厳しいコメントが戻ってきました。残念ながらそのほとんどがあまり良くないコメントでした。その悪いコメント群を次の5つのグループに大きく分けてみました。(本当に小生も耳が痛かったです。)
- 他人の人生を左右する権限を持たされている(勘違いしている)
- ある意味で誰でもできる業務である(能力があまりない)
- 経営陣の最重要マターに関わる仕事をしている(経営陣に近い)
- 人事部自体の人事が不透明(完全な伏魔殿・村社会)
- イメージ先行で嫌われている(なんか嫌い)
これらのグループを順に見ていきます。
【人事部が嫌いな理由】(原文ほぼそのまま)
1.他人の人生を左右する権限を持たされている(勘違いしている)
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昇格とか異動とか評価とか生活に直結することの決済ができるのでやりたい放題
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自分の好き嫌いやえこひいきで人事をやっている
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わけのわかんない奴に自分の評価なんかされたくない
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営業の会社なのに人事が力持ちすぎてどうすんねん
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ポジションを笠に着て威張っているし上から目線が鼻につく
2.ある意味で誰でもできる業務である(能力がない)
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実力というよりも運と人間関係だけで出世している
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能力云々が要求されるような仕事ではない(誰でもできる仕事やん)
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まったく仕事できないわけでもないけどめちゃくちゃできる奴も見たことない
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会社の売上(業績)に全く貢献していない
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営業で使いモノにならない奴の掃き溜めちゃう
3.経営陣の最重要マターに関わる仕事をしている(経営陣に近い)
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社長・経営陣と距離感が近く社内で妙な力を持っていそう
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どんな細かいことでも見逃さず忘れずもれなく会社にチクりそう
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自分ができてもいない経営理念や経営方針を偉そうに振りかざしてくる
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役員とツーカーであることを自慢している
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役員も人事出身者がダントツで多い
4.人事部自体の人事が不透明(完全な村社会)
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自分の人事権を持っている人の言うことは何でも聞きそう
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人事部の人事はだれが決めているのか甚だ疑問
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人事部の査定は他部署に比べて甘そう
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人事で閥つくってサポートし合う互助会的体質
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人事部内のゴマすりが目について気持ち悪くなりそう
5.イメージ先行で嫌われている(なんか嫌い)
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人事部に配属されると社内の出世コースに自動的に乗っていそう
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ひとことで言うと冷徹で何を考えているかわからない
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プライドが高すぎて近寄りがたい
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「人事にあらずんば人にあらず」って思ってそう
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行けるもんなら俺も人事に行きたい
これらの嫌われる理由をもとに、ある程度嫌われるのは業務の性質上致し方ないが、必要以上に嫌われないようにするための心掛け(心得)を考えてみました。
【必要以上に嫌われないための心掛け(心得)】
1.自分の置かれている位置を見失わない
- できるだけ透明感のある公平な人事であろうと努める
- 上から目線にならないように注意して常に謙虚に自らを律する
- 社員の人生を少なからず左右する立場であることの重みを絶対に忘れない
2.勉強を怠らない
- 人事労務の知識を最低限勉強する
- 会社の福利厚生の仕組みを明確に説明できるようになる
- 人事関連の社会動向やトレンドを把握する
3.現場感覚を失わない
- 現場の社員に直接会う機会を意識的に作る
- 現場の管理監督者と常にコミュニケーションを取り合う
- 現場から本音ベースの相談や問い合わせが上がってくる雰囲気をつくる
4.スタッフ部門としての使命とホスピタリティを忘れない
- よく相談に乗り公平・公正なお世話を全力で行う
- 聴き上手になってあらゆる社員の話に耳を傾け親身になって相談に乗る
- ルールを適用するときも頭ごなしや杓子定規にならず柔軟に対応する
5.嫌われることを覚悟しつつ社内での自分の立ち位置をつくる
- 社員が困ったときに最初に頭に浮かぶような存在になる
- できれば他部署に協力者や理解者をひとりでも多く増やす
- 私利を捨て経営層と社員の潤滑油となる
以上が私のような人事部が嫌われる理由と必要以上に嫌われないための心掛け(心得)についてでした。「そんのことじゃないんだよ!」といった怒りの声が聞こえてきそうですが、何かもっと素晴らしいアドバイスがありましたらコメントにお寄せください。
繰り返しになりますがこのエントリーが十把一絡げに人事部のことを貶める印象になってしまっていないか本当に心配しております。ただもし万が一私に似たような人事部の方がこのブログをお読みになってひとつでも刺さるものがあり、必要以上に嫌われないようにするためにささやかな心掛け(心得)を持つことができたとしたら、少しは人事部以外の社員の皆さんの行き場のない不満も消えるのではないでしょうか?
また人事という仕事にやりがいや誇りを持って懸命に頑張っている皆さんにとっても、心のどこかに入れておいて決して損はない心掛け(心得)だと生意気ながら思いますので参考にしてみてください。
この内容自体が結局またしても「上から目線」になってしまっていることを最後にお詫びして今日の記事を締めさせていただきます。
おまけ