「ソフトバンクホークス、工藤公康監督、優勝おめでとうございます!」
ソフトバンクホークス優勝おめでとうございます!
今日はこの優勝を祝福しつつ、ホークスを監督就任一年目にもかかわらず見事にチームを率い、圧倒的な強さでぶっちぎりで優勝した工藤公康監督にスポットを当ててみたいと思います。
私は今でこそ工藤監督の大ファンですが、以前はあまり良い印象を持っていませんでした。工藤さんが西武の左腕エースとして現役バリバリの頃、私は巨人の大ファンだったのですが、その巨人が工藤投手に日本シリーズ(1987)で完璧に抑えられているところを苦々しく観ていました。
工藤さんはプロ入り後最初に入団した西武で「番長」清原和博さんや「ナベQ」こと渡辺久信さんといったメンバーとともに黄金期を築きました。1986年には、この3選手が「86日本新語・流行語大賞」の流行語金賞を受賞。その流行語とは「新人類」でした。無気力でだらしない、という新人類のイメージをはねのけるのに貢献した、というのが受賞理由とのことです。
この頃の私の印象は巨人を完璧に抑えた「鼻持ちならない生意気なやつ」という感じでした。そのイメージがある工藤さんの下記のエピソードを確か横浜DeNAの監督になるとかならないとか騒がれていた頃に知って一変しました。
そのエピソードとは・・・
(関西テレビ「ヒルスパ!拝啓○○様」のサイトより引用)
名古屋電気高校(現愛知工業大学名電高校)から1981年のドラフト6位で西武入り。82~94年、日本シリーズMVP2回、最優秀防御率3回、最高勝率3回など輝かしい成績を残し、西武の黄金期を支えた。
95年、当時のダイエーに移籍。99年には4回目の最優秀防御率を獲得し、ダイエーの福岡移転後初のリーグ制覇に大きく貢献。MVPに選ばれた。
99年オフ、フリーエージェント(FA)宣言し、巨人への移籍が決定。この時、工藤のダイエー残留を願うファンが署名活動を行い、17万3000人もの署名が集まった。その後、ファンの元に工藤のサインが記されたメッセージ入りの手紙が届く。工藤は署名に参加したファン全員に手紙を送り、感謝の気持ちを表したのだった。17万通、住所と宛名はすべて手書き。全員に手紙を送るのには約7年間かかったという。
工藤監督は当時、ダイエーファンに直接、何の話もできず。それでも、ファンの気持ちに対して気持ちで応えたいと思っていたという。雅子夫人に相談したところ「皆さんに手紙を出せたらいいよね」と提案され、決意。手紙を送った後、野球教室などで九州を訪れた際、ファンから「届きました!」「本当にみんなに送ったんですか!?」などとたくさん声を掛けられ、うれしかったという。
どうですか、感動しませんか?
これ以外にもこの本の中には感動する工藤さんのエピソードが載せられています。
その中で特に感動するものを2つほど紹介します。
ひとつ目のエピソードは
帰るべき「家庭」があるからこそ、思い切って戦うことができる。
2006年のジャイアンツ時代、工藤さんがわずか3イニングで7失点のメッタ打ちにあいマウンドから引きづり降ろされたことがあったそうです。それを自宅のテレビで見ていた子供たちが「ドームまでパパを迎えに行こう」と言い出したそうです。
ドームに着いたとき近くの屋台から出てきた背番号47のユニフォームを羽織ったファンに対して工藤さんのまだ幼い三番目の娘さんが「すみません、きょうは父がご迷惑をおかけしました」と深々と頭を下げて謝ったそうです。
このとき工藤さんは改めて家族の絆を感じたそうです。これを読んで私は号泣してしましました。
一流の人はいい家族に恵まれ、またそのいい家庭を作り上げていける人なんだと思い知らされました。
ふたつ目のエピソードは
投げたくても投げられない「アイツ」のためにも・・・という気持ちが僕を奮い立たせてくれた。
工藤さんには福岡ダイエーホークス時代(1995-1999)に藤井将雄投手というとても可愛がっていた弟分がいたそうです。彼は31歳という若さで2000年の10月13日に肺癌でこの世を去るのですが、ベッドで苦しむ藤井さんをおもいチームが一丸となり、選手が奮起しその年(2000年)ホークスは優勝したそうです。
工藤さんはそれ以来若くして投げたくても投げられなくなってしまったアイツ(藤井さん)のためにも投げるという気持ちで自分自身を奮い立たせてマウンドに立ち続けたそうです。
工藤さんは2000年からはFAでジャイアンツに移籍するのですが、1999年のシーズンオフに藤井さんから「ジャイアンツにいかないでくれ」と懇願されたそうです。その時藤井さんの病気のことを知っていればジャイアンツに行かなかったかもしれないと後に言及なさっています。このエピソードも泣けました。
一流の人は愛する人のことを徹底的に愛し抜き、心に刻み込んで生涯忘れることなどないのでしょうね。
その他工藤さんの名言をいくつかご紹介します。
1.負けない「氣迫」を持ってぶつかれ。
- 尊敬する王監督は色紙を頼まれると「氣力」と書く
- 普通は「気」と書くが「気」では中が〆切になって「氣」が閉ざされてしまう
- 「氣」は「氣合」であり「氣骨」であり「氣慨」である
- 何をやるにしても「熱氣」や「覇氣」なければ集中力が散漫になってしまうし成果も上がらない
- 野球でも人生でもいちばんのポイントは「氣の力」である。
勝負は絶対に気持ちで負けてはならない
2.プロとして持つべき自尊心はあるが、捨ててしまっていい邪魔なプライドもある。
- 「自信」と「過信」を見誤ってはいけない
- その境界線は自分だけではなかなか判断しずらいが、周りがどんな目で見ているか想像しなければならない
- 過剰な自尊心や邪魔なプライドを持っている人は意外に評価が低い
- 謙虚に一所懸命やっている人は思いがけないほど評価が高い
- 邪魔なプライドは捨ててしまおう
自分の姿を他人に指摘される前に自ら気づいて対処しなければならない
3.地道な練習を続ければ、自信と誇りを手にすることができる。
- どん底にいてもあとは上がっていくしかないと考える
- 常に明日のために何かやるべきことがあるはずだと考える
- 自分を鏡に映してもっとやれることがあるんじゃないかと自問自答する
- 野球の世界でいえば最終的に信じられるのは練習でしかない
- 練習量と質が自信につながり誇りにつながる
- 地道に努力を続ければ、自信と誇りを手にする地点まで必ず辿りつける
理想を実現するためには「今できること」を懸命にやるしかない
4.敗戦処理という投げやりな気持ちでは、結果を出すことはできない。
- 敗戦処理であろうと目的意識を持って向かっていかなくてはならない
- どうせ敗戦処理という投げやりな気持ちでマウンドに立ったことはない
- いいリズムで敵を抑えれば味方が逆転してくれるかもしれない
- 野球はすべてが終わるまで何が起こるかわからないので諦めてはならない
- 任された場面で最後まで投げ続けなければならない
プライドをズタズタに傷つけられるような役目でも懸命に務めればチャンスも見えてくる
5.どこかにゴール地点があるわけではない。努力することに、終わりはない。
- 仕事でもトレーニングでも続けることによって自分自身が成長できる
- つらい練習に耐え続けることで自信が持てるようになる
- たとえ一度でもつらい時期をくぐり抜けた体験があると、次つらい時期が来ても乗り越えられる
- さらなる高みへとつらい階段は延々と続く
- ここがゴールと思った時点ですべての成長は終わり
苦しいことに我慢し耐え、成長することに終わりはない
6.自分で行動して表現しないと、環境を変えることはできない。
- 人間の持つ欲や不満には限りがない
- 何かにつけて環境のせいにしたり、人のせいにしたりしがちな人はどこにでもいる
- 環境を変えるのは自分自身
- 自分たちが行動を起こさずにただ不満を口にしても意味がない
- 本当に何かを変えたいのであれば自分自身が行動して表現することだ
何も行動せず何も表現しない人には何も変えることはできない
7.やらないことには、結果が出るか出ないかわからない。先に答えを欲しがるのは、甘えでしかない。
- 「誰も認めてくれない、どうせ自分なんか」などと自分を擁護し正当化しても仕方ない
- 地道にやっていれば絶対に誰かが見てくれている
- 一時的な結果を求めてばかりいては話にならない
- 結果が出るか出ないかは誰にもわからないし、先に答えを欲しがってはいけない
- 人は諦めてしまえばそこから先はない
あくなき探求心と向上心を持ち、できることを地道にやっていくしか未来はない
8.人より短時間でやり遂げる。その意識が、創意工夫と技術の向上を生む。
- 子供というものは飴とムチがあると意外な集中力や能力を発揮する
- ひとつのことに凝縮して一所懸命にやったほうが早くうまくなる
- いかに短時間で集中し打ち込んでいくかで技術も体力も身に付く
- 同じことを繰り返すにしても神経をフルに使って創意工夫しながら繰り返す
- 一芸に秀でるためにはそのことに人生の何分の一かを懸けられるかどうかだ
絶えず工夫をしながら集中して取り組むことがすべてにおいて上達の王道である
ここまで書いてきて、先日の私のこの記事を思い出しました。なんか共通している点が多々あるような気がしました。
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【一流の共通点とは?】というセミナーでストンと腹落ちした8つの話+おまけで「学生と社会人の違い」 - ひかる人財プロジェクト
この記事で紹介した一流の共通点は
- とにかく負けず嫌い
- 自分を客観視できる
- 考える準備はすべて徹底的にやる
- とことん苦しい挫折を経験している
- 常に自分はまだまだだと思うことができる
- 自分の思いや願望を言葉にする
- 目の前の目標からひとつづつ着実にクリアする
- 自分で考える(工夫する)
これを今日紹介した工藤さんの名言と対比させてみると、
- 負けない「氣迫」を持ってぶつかれ
- プロとして持つべき自尊心はあるが、捨ててしまっていい邪魔なプライドもある。
- 地道な練習を続ければ、自信と誇りを手にすることができる。
- 敗戦処理という投げやりな気持ちでは、結果を出すことはできない。
- どこかにゴール地点があるわけではない。努力することに、終わりはない。
- 自分で行動して表現しないと、環境を変えることはできない。
- やらないことには、結果が出るか出ないかわからない。先に答えを欲しがるのは、甘えでしかない。
- 人より短時間でやり遂げる。その意識が、創意工夫と技術の向上を生む。
やはり一流の人の言ってること(やっていること)は共通する点が多いみたいです。
最後に特に印象に残った工藤さんの言葉をひとつ紹介して今日の記事は締めたいと思います。
自分の限界を超えていくのは「努力」と「根性」以外にはない。
「努力」と「根性」なんて最高の言葉だ。
これがなくなったら日本人じゃないとさえ思う。
ちなみに・・・、僕の大好きなアニメにも、「努力」と「根性」という言葉はかならず出てくるのだ。
重ねてソフトバンホークス、優勝請負人、工藤公康監督、優勝おめでとうございます!