会社はヒト・モノ・カネで動いている。カネ・ヒト・モノでもなくモノ・ヒト・カネでもなくヒト・モノ・カネの順番で必ず表現される。ただ単にこれは偶然の並びで慣れてしまっただけではなく、間違いなく組織においてもっとも重要な経営資源はヒトなのだと考えている。
その中でも会社が成長するうえで最も重要なヒト(ポジション)と言えるのがマネージャー(中間管理職)であることには異論はないと思う。マネージャーにはほぼすべての会社において共通したミッションがある。それは「目標を達成すること」と「会社を成長させること」である。この2つのミッションを遂行できないマネージャーしかいない会社はもしかしたら近い将来潰れてしまうかもしれない。
そこでこの2つのミッションを遂行できない、会社を潰すタイプのマネージャーの意識と行動について考えてみたいと思う。チョイスしたものは偉そうに書いている私自身も耳の痛いものばかりである。こういったタイプのマネージャーがあなたの上司だったりあなたの部下だったりするする方はすぐに勇気をもってそのマネージャーに向かって変化か退場を働きかけるか、人事異動をひたすら待つか、それでも何も変わらない場合はちょっと大袈裟に言うとオーナーでない方は転職をお勧めしたい。
8つのタイプ
- 1.プレーヤーから脱皮できず手柄を挙げることに腐心する
- 2.自分に都合の良い部下だけを信頼し重用し集中して仕事を任せる
- 3.自分の考え方ややり方がすべて正しいというおごった思い込みを払拭できない
- 4.上司に弱く上司の言葉をそのまま部下に下す
- 5.部下に強く部下が顔色を窺ってばかりでろくに意見もしてこない
- 6.部下に経営層や経営方針などの不満を漏らす
- 7.その日やらなければならない仕事だけをこなして一日が終わる
- 8.判断が必要な時に場当たり的な判断をしたり判断することから逃げたりする
1.プレーヤーから脱皮できず手柄を挙げることに腐心する
・仕事を部下に信頼して任せることができない
・結局自分が出張ってしまい部下に仕事を教えない
・スタンドプレーが目立ち短期的な業績に一喜一憂してしまう
2.自分に都合の良い部下だけを信頼し重用し集中して仕事を任せる
・自分に都合の悪い部下をなんとなく避け信頼もせず仕事も任せない
・仕事を任せられない部下が伸び悩みモチベーションが下がる
・仕事を任される部下も任されない部下も互いに関心を持たなくなる
3.自分の考え方ややり方がすべて正しいというおごった思い込みを払拭できない
・部下に対して細かいことを含め全て自分のやり方で動かそうとする
・自分の成功談(どうでもいい自慢話)ばかりして有益な失敗談をシェアできない
・責任を取る意識が欠落していて常に部下や環境のせいにし現場と距離ができる
4.上司に弱く上司の言葉をそのまま部下に下す
・経営理念や方針をわかりやすく噛み砕いて説明できない
・上からも下からも嫌われることを恐れ結局みんなに嫌われる
・自分の言葉で話せないので部下に気づきを与え成長させることができない
5.部下に強く部下が顔色を窺ってばかりでろくに意見もしてこない
・現場の生の声や本音が埋もれてしまう
・会議や打ち合わせがよどんだ暗くて重い空気感におちいる
・部下がミスや不祥事などの情報を隠すようになる
6.部下に経営層や経営方針などの不満を漏らす
・人としても上司としても部下からも尊敬されなくなる
・経営層からの信頼も結局いつの間にか失ってしまう
・経営ビジョンの実現が部下の夢の実現になる良いマインドを断ち切ってしまう
7.その日やらなければならない仕事だけをこなして一日が終わる
・忙しそうにしているだけで目先の業務をこなすことで精一杯
・中長期的な展望が欠落しその日その日の業績しか見えていない
・部下を人として見る余裕もない(コミュニケーションをとらない)
8.判断が必要な時に場当たり的な判断をしたり判断することから逃げたりする
・判断できないことで業務を止めたり他部署や顧客の信用を失う
・部下が振り回され中途半端な動きしか取れなくなる
・チームが伸び悩み疲弊感に包まれてしまう
以上8つのタイプにまとめてみた。冗談抜きでこのタイプのうち半分以上当てはまっているマネージャーを上司(もしくは部下)としている方は要注意である。またもし自分がマネージャーのポジションにいる方も(もちろん私も含めて)できれば謙虚に自らをチェックしてみて損はないと思う。
参考までにグーグルの人事部がはじき出したマネージャーに必要な8つの条件を引用させていただいた。ちょっと古いし会社の規模も全く違うしレベルも違いすぎるとは思うが、私のお恥ずかしいチョイスと見比べていただければと思う。
日経ビジネスが「GPTWジャパン」の協力を得て実施した2012年版の「働きがいのある会社」調査で1位を獲得したのが米グーグル日本法人だ。同社の人事施策の強みはどこにあるのか。米グーグルの人事部門トップ(米グーグル ラズロ・ボック人事部門担当上級副社長)に単独インタビューした。
マネジャーに必要な8つの条件
グーグルのリーダーに求められる要件は何ですか。
ボック:我々は良いマネジャーに必要な8つの条件を定義しています。
1.良いコーチであること
2.チームに力を委ね、細かく管理しないこと
3.チームメンバーそれぞれの成功や、健康・幸福について興味・関心を持つこと
4.生産的で結果重視であること
5.話を聞き、情報を共有できる良いコミュニケーターであること
6.キャリア形成の手助けをすること
7.チームのための明確なビジョンと戦略があること
8.チームにアドバイスするための重要な専門的なスキルがあること
といった具合です。
こうしたことを実践するために、当社のマネジャークラスの社員は部下と定期的に1対1でミーティングを持つことになっています。
マネジャーにとって一番重要なこと、つまりチームがうまく稼働するには何が重要なのかというと、予見性があるかどうかということです。チーム内のメンバーが(仕事で)どのような方向に行きそうか、ということを把握し、何か問題が生じたときには、解決を支援するのが優れたリーダーです。
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